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2012-12-26 ニューデリーの婦女暴行事件、抗議運動が激化
首都ニューデリーでは、12月16日に発生した婦女暴行事件をめぐって、先週末から人々の抗議運動が激化している。この事件は、16日夜、23歳の女子学生がバスの車内で集団暴行を受けたというものである。この女子学生は事件後にニューデリー市内の病院に搬送され、危篤状態と診断された。報道によれば、デリー警察は21日までに、事件に関与したと見られる容疑者6人を逮捕した。この暴行事件に対する抗議運動は事件の直後から見られたが、週末の22日頃から大規模かつ過激なものとなった。23日には抗議運動が暴動化し、インド門周辺で警官隊と衝突するという事態に発展した。運動があまりに急速に激化したことから、インド国内の報道では、何らかの反政府分子が暴力行為を煽動しているのではないかとの見方も示された。
こうした状況を受け、スシルクマール・シンデ内相は22日、マンモハン・シン首相と協議を行った後、事件について調査を行うための司法委員会の設置や、婦女暴行に対する罰則を強化するための刑法の改正などを行うと発表した。さらに同内相は、婦女暴行事件を防止するための対策として、(1)夜間のバスを増発するなど、公共交通システムの改善、(2)すべての公共交通機関におけるGPSの導入、(3)公共交通に関わる者に身分証明を持たせる、(4)警察車両などによる警備の強化、などを挙げた。