インドに対する円借款に関する書簡の交換
2013-11-12
1 本12日(現地時間同日),インドの首都ニューデリーにおいて,我が方八木毅駐インド大使と先方クッラー財務省経済局局長(H.E. Mr. Rajesh Khullar, Joint Secretary, Department of Economic Affairs, Ministry of Finance)との間で,総額177億300万円を限度とする円借款「インド工科大学ハイデラバード校整備計画(フェーズ2)」及び総額130億円を限度とする円借款「タミル・ナド州投資促進プログラム」に関する書簡の交換が行われました。
2 対象案件の概要
インド南部アンドラ・プラデシュ州ハイデラバード市郊外にあるインド工科大学ハイデラバード校への協力は,日印首脳間で合意された協力案件の一つであり,産学官による協力体制が構築されています。本計画は,我が国が現在実施中である共同研究,専門家の派遣,キャンパス設計などの技術協力を通じた支援と連携し,同校の施設について,2012年度に53億3,200万円の円借款供与を決定したフェーズ1に引き続き,フェーズ2として整備(ビジネスインキュベーションセンター,国際会議場,中央図書館,総合研究センター及び学科棟の建設など)を行うものです。本計画を通じて教育・研究環境の整備及び人材の育成を図ることにより,インドの産業振興に寄与するとともに人的・学術的交流を通じた日印関係の強化に貢献することが期待されます。
(2)タミル・ナド州投資促進プログラム(130億円)
インド南部タミル・ナド州は,東南アジア地域とのシーレーンに位置し,その豊富な労働力や外資誘致政策等から,自動車製造業やエレクトロニクス産業等が集積しており,近年,多くの日本企業が進出しています。一方で,進出日本企業から道路,電力,上下水道等のハードインフラの未整備に対する強い改善要望が出るなど,タミル・ナド州の投資環境の整備が課題となっています。
本計画は,タミル・ナド州において,州政府による(ア)投資環境整備に資する政策・制度・手続の改善,(イ)道路,電力,上下水道等のインフラ整備への取組みにつき,2012~2014年度の各年度に達成すべき政策アクションを整理し,その進捗を借款の支出に結びつけてモニタリングを行うことで,投資を促進する政策・制度の改善を促すものです。これにより,タミル・ナド州の投資環境が整備され,進出する日本企業が活動しやすくなるとともに,日本企業を含む海外からのタミル・ナド州への直接投資が増加し,タミル・ナド州の経済発展に寄与することが期待されます。