2013-02-25 JICA、インド向け円借款契約の調印─ビハール州の国道整備を支援
国際協力機構(JICA)は22日、ニューデリーにおいてインド政府との間で「ビハール州国道整備事業」を対象として229億300万円を限度とする円借款貸付契約に調印したと発表した。
本事業は、インド東部ビハール州において、パトナ市とドビー市を結ぶ国道83号線の4車線化工事(約127キロメートル)およびサービス道路の建設を行うことにより、急増する道路交通需要への対応を図るもの。借款資金は、道路建設に係る土木工事、コンサルティング・サービス等に充当される。
2012年現在、インドでは国道は全道路網の総延長(約411万キロメートル)のうち、わずか2%の7万6,818キロメートルに過ぎないが、輸送シェアでは全道路網の約40%を占めており、その重要性は非常に高くなっている。また、国道のうち4車線化されている箇所は全体の約23%であり、道路交通需要の伸びに対応した国道網整備が喫緊の課題となっている。インド政府は、第12次5カ年計画(2012年4月-2017年3月)において、国道開発計画をはじめとする幹線道路の整備等を通じ、輸送能力とアクセスの向上に努めることとしている。
インド東部に位置するビハール州は、2002年に世界遺産に登録された仏教最大の聖地であるブッダガヤを始めとする仏教遺跡を有することで知られている。一方、インドの最貧困州のひとつであり、貧困率は53.5%(2010年)に達するが、近年、目覚ましい経済成長を遂げている。経済発展および人口増加に伴い、同州の車両台数は2002年度から2011年度にかけて102万台から267万台に増加しているが、同州の人口10万人当たりの道路延長は、2011年現在で125.85キロメートルと全国平均387.57キロメートルを下回る低い水準にあるため、早急な道路網の整備が必要となっている。本事業の実施により、州内の投資環境の改善や観光業の振興にも貢献することが期待される。