2013-02-28 豊田通商、インド・グジャラート州に事務所を開設─大手商社として初
豊田通商は28日、インドにおける自動車関連を中心とした事業拡大のため、グジャラート州の最大都市アーメダバードに、日本の大手商社として初めてインド現地法人の事務所を設立したと発表した。同社にとっては、インドで第5の自動車生産拠点となる。邦人(兼務)および現地社員数名の体制から事業を開始し、グジャラート州に進出する日系企業を中心とした取引先の事業立上げ、サプライチェーン構築とマーケティングを支援する。
インド北西部に位置するグジャラート州は、インドの中でも道路・港湾・電力といった産業インフラが整備されており、州政府が投資誘致に積極的で、日系自動車メーカー「スズキ」のインド四輪車子会社のマルチ・スズキが工場用地取得を発表するなど、今後、自動車部品産業の集積が見込まれている。また、グジャラート州は、日本政府とインド政府が共同で進めているデリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)の中間に位置し、日本企業専用工業団地も整備されるなど、日系企業の進出検討地として、これまでのデリー近郊、バンガロール、チェンナイ、プネに加え、今後、同州への注目は一層高まるとみられている。
同社は2007年、バンガロールに現地法人を設立し、2012年にはインドを海外地域戦略における最重点国のひとつと位置づけ事業を展開している。自動車関連としては1999年からバンガロールで主に自動車部品の加工・物流事業を開始するなど、製造から販売まで機能を拡充してきた。
これにより同社は、既存のインド南部(カルナタカ州やタミル・ナドゥ州)、インド北部(ハリヤナ州)拠点との相互部品・原材料供給体制を構築するとともに、資金調達・加工・物流・倉庫機能といった現地でのバリューチェーンを構築し、また事務所スペース提供等のサービスを行うことで、グジャラート州へ進出する自動車部品会社への事業支援を強化する。