2013-05-31 JBIC、インドの再生可能エネルギー事業に融資─インドステイト銀行に9,000万ドル
国際協力銀行(JBIC)は30日、インドのマンモハン・シン首相来日の機会を捉えて、インド最大の国営商業銀行であるインドステイト銀行(SBI)との間で、融資総額9,000万米ドル(うちJBIC融資分4,500万米ドル)を限度とするクレジットライン(事業開発等金融に基づく与信枠)設定に係る貸付契約を締結したと発表した。本クレジットラインは、三菱東京UFJ銀行(幹事行)と、三井住友銀行との協調融資であり、両行の融資部分の一部に対してはJBICが保証する。
本クレジットラインは、地球環境保全業務(通称「GREEN」)の一環として、インドにおけるエネルギー効率化事業及び再生可能エネルギー事業を対象に、温室効果ガスの排出削減等に資する環境関連案件に必要な資金を融資するもの。
インド政府は、2020年までに国内総生産(GDP)単位当たりの温室効果ガス排出量を2005年比で20~25%削減するとの数値目標を掲げるとともに、中長期環境政策である「気候変動に関する国家行動計画(NAPCC)」のもと、様々な取り組みを行っている。こうした中、本融資は、インドにおける温室効果ガス排出削減やインド政府の環境政策推進等に寄与することが期待されるとともに、国際的に高く評価される日本の先進環境技術が同国に普及する一助となることも期待される。
SBIは、1806年に設立されたインド国内で第1位の資産規模を有する国営商業銀行であり、同国での電力セクターおよびプロジェクトファイナンス分野における最大の貸し手であるのみならず、近年ではクリーンエネルギー等の環境関連案件に対しても支援を積極化している。JBICとSBIは、1990年代より、日本からインド向けの機械・設備等の輸出に対する融資等を通じて協力関係を築いてきたほか、最近では日本の中堅・中小企業のインドへの進出支援体制の整備に関する覚書も締結した。本件は、今後、SBIとの間でインフラ関連などでの多様な協力機会が期待される中で、両行の連携を一層深めるものとなる。