2013-06-11 アドバニ氏、BJPの主要ポストを辞任―「党の方向性に違和感」
6月10日、最大野党インド人民党(BJP)のL.K.アドバニ元副首相は、同党のラージナート・シン総裁を自宅に招き、党の主要ポストをすべて辞任するとの意向を伝えた。元副首相はシン総裁に手渡した書簡において、「私はかねてより、党の現在の機能や党が進んでいる方向性に対して違和感を感じてきた」とし、「党のほとんどの指導者は現在、自分たちの個人的な課題だけを気にかけている」と批判した。その上で同元副首相は、全国執行委員会、中央議会委員会、選挙委員会という党の3つの主要機関の委員をいずれも辞任すると表明した。
BJPは6月8~9日にゴア州で開催した全国執行委員会会合において、グジャラート州のナレンドラ・モディ州首相を、同党の「選挙運動委員会」の委員長に指名した。アドバニ元副首相の今回の動きは、このような党執行部の動きに反発したものと見られている。実際、アドバニ元副首相は、体調不良を理由に今回の全国執行委員会会合を欠席している。BJPの全国執行委員会会合を欠席したのは、同元副首相の政治キャリアにおいて初めてのことであった。
今回の動きを受けて、BJPは6月10日夜、同党の中央議会委員会の会合を急遽開催し、党や国家はアドバニ元副首相による指導をこれまで以上に必要としているとした上で、同元副首相の辞意を却下するとの声明を全会一致で採択した。一方、モディ州首相は10日、ツイッターでの投稿において、自身がアドバニ元副首相と電話で話をし、辞意の撤回を申し入れたことを明らかにした。しかし現在のところ、今回の辞意表明に関して、アドバニ元副首相自身の側から新たな発表はなされていない。