2013-06-11 双日、インドのデリー-ムンバイ間貨物専用鉄道の軌道敷設工事を受注
双日は10日、インドの建設・エンジニアリング大手ラーセン&トゥブロ(L&T)と共同で、インド政府傘下のインド貨物専用鉄道公社から、デリー-ムンバイ間貨物専用鉄道(DFC西線)の軌道敷設工事626キロメートルを受注したと発表した。契約金額は約1,100億円で、円借款案件における契約規模として過去最大級となる。
本件は、インドの首都デリーと商業都市ムンバイの間に総延長約1,500キロメートルの貨物専用鉄道を建設するDFC西線建設事業における最初の大型契約となる。受注区間はインド北部ハリヤナ州レワリと西部グジャラート州イクバルガー間で、付帯する土木工事、貨物駅や橋梁の建設等を含む。
双日はL&Tと共同で主契約者となり、関係会社であるメタルワンを通じて高い耐久性を誇る日本製熱処理レールを調達するほか、コンソーシアム・リーダーとしてプロジェクト管理などを行う。パートナーであるL&Tは、プロジェクトの設計・施工・管理などを行う。工事は2013年の夏に着工し、2017年夏に完工予定。
DFC西線はインドの国家プロジェクトであると同時に、日印が共同で推進する「デリー-ムンバイ間産業大動脈(DMIC)構想」の根幹をなす事業であり、日印経済協力の象徴的案件と位置付けられている。
デリーを中心とする北部はインド随一の消費地であると同時に産業の集積が進み、一方のムンバイを中心とする西部地域はインド最大のコンテナ港ジャワハルラール・ネルー港(JNPT港)を抱えている。DFC西線は、急増が見込まれる北部と西部の間の貨物輸送を担ってインドの経済発展に貢献する。また、路線周辺には250を超える日系企業の拠点があると言われており、現地に進出している日本企業への寄与も期待される。
双日とL&Tでは、DFC西線の他区間の軌道敷設工事や電化工事等の受注を目指すほか、同じく日印両政府が計画している高速鉄道事業等での協業も視野に入れている。双日の鉄道プロジェクト事業は、豊富な実績のある米国に加え、インドを最重点市場と位置付けており、今回の受注を契機に更なる事業の拡大を目指す。