2013-06-14 牛肉の輸出量、インドは今年も世界1位か
インドは今年も牛肉輸出国として世界1位になる見込みだ。国内では生産の増加ペースが鈍化する一方で消費が増えているものの、輸出量は170万トンに達し、昨年に続いて世界トップの座に着くという。6月12日付でヒンドゥー・ビジネスライン紙が報じている。
インドでは牛肉は水牛(バッファロー)の肉を意味し、海外ではキャラビーフとも呼ばれている(水牛以外の牛の肉は輸出が禁止されている)。昨年、インドはブラジルを抜いて牛肉の最大輸出国となった。昨年の輸出量は141万トンで、今年は170万トンに増加する見込み。この背景には、東南アジアや西アジア、アフリカ諸国で水牛肉の受け入れが増加していることがある。ちなみに、米農務省(USDA)は当初、今年の輸出量を210万トンと予想していた。
農産・加工食品輸出開発機構(APEDA)のタルン・バジャージ本部長(家畜生産品担当)は、「インドの水牛肉は競争価格の設定や品質のよさゆえ、他国にとっては手ごわい競争相手となっている」と語る。
APEDAによれば、食肉および食肉加工品の輸出額は2011年度の29億1,000万ドルから12年度は32億9,000万ドルに増加した。08年度に67万2,000トンを輸出して以来、インドの水牛肉の輸出量は約3倍に増加している。
インドではウシ科の頭数全体のうち3分の1を水牛が占めている。水牛は、牛よりインドの気候条件への適応力が高く、乳脂肪含有量も多いため、牛より好まれる傾向にあり、肉牛だけでなく乳牛としても中心的な存在となっている。ヒンドゥー教などで牛が神聖視され、食肉処理が禁止されていることも、水牛肉の生産が盛んな要因のひとつ。ただ、水牛についても、食肉処理作業は男性、あるいは出産期を終えた女性だけが行えるものとして制限されている。