2013-10-22 エーザイ、インドで新規抗がん剤を発売
エーザイは、インド子会社であるエーザイ・ファーマシューティカルズ・インディア(以下エーザイ・インド)が抗がん剤「Halaven」(一般名:エリブリンメシル酸塩)を発売したことを発表した。同社のプレスリリースが、10月1日付で報じた。
「Halaven」は、同社が自社創製・開発した新規抗がん剤であり、現在、日本、米国、欧州を始めとする50カ国以上で承認を取得している。インドでは、2013年4月、「アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む少なくとも2種のがん化学療法による前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん」に係る適応で、承認を取得した。
インドでは、毎年約11万5,000人の女性が新たに乳がんとして診断され、2020年までに乳がんは子宮頸がんを抜き、女性において最も多いがんとなると予測されている。また、診断・治療の遅れや治療の中断などにより、インドでは乳がんの罹患者の死亡率が欧米に比べて高く、これは疾患に対する理解不足や治療アクセスの低さに加えて経済的な理由も原因のひとつとなっている。
エーザイ・インドは、今回の発売に合わせて、「Halaven」を必要とする者がその所得に関らずアクセスできるよう、患者の所得水準に応じて全額負担から無償まで複数の負担価格を設定する「ティアードプライシング」を導入する。同社は、医薬品アクセスの向上をグローバル製薬企業の重要な使命であると考えており、インドでは、アルツハイマー型認知症薬「アリセプト」(インドでのブランド名「Aricep」)、プロトンポンプ阻害剤「パリエット」(インドでのブランド名「Parit」)を、2005年の発売当初より、インドの経済状況や医療環境を考慮した患者が購入しやすい価格(アフォーダブルプライス)で提供している。