2013-11-27 日立、インド決済サービス大手プリズムペイメントサービスを買収
日立製作所は、インドにおいて、金融機関向けにATMやPOSシステムを用いて決済サービスを提供する大手企業である、プリズムペイメントサービス(Prizm Payment Services)を買収することを決定し、ウィンベストホールディングス(Winvest Holdings)(注1)、セコイアキャピタル(Sequoia Capital)、アクシスバンク(Axis Bank)をはじめとするプリズムペイメントサービスの全株主との間で、同社の発行済み全株式に関する株式譲渡契約を締結した。日立とプリズムペイメントサービスは、今後、2014年2月中を目処とする買収完了に向けた手続きを進める。日立のプレスリリースが、11月26日付で報じた。
日立は、インドをグローバル戦略上の重要地域と位置付け、日立グループで推進する社会イノベーション事業の展開を加速しており、インドにおける売上高を2015年度までに2011年度比約3倍の3,000億円へと拡大することをめざしている。また、社会イノベーション事業の中核となる情報・通信システム事業においても、「グローバル事業の拡大」と「サービス事業の強化」を、成長力を備えた事業ポートフォリオの変革を進める上での成長戦略として掲げている。
インドでは、経済の拡大に伴い、2013年から2017年にかけて5年間連続でIT投資成長率が10%(注2)を超えると予想されるなど、IT市場の急激な成長が見込まれている。金融機関においても、モバイル端末を活用した決済など、さまざまなサービスを強化する取り組みが進んでおり、これに伴い、現時点では普及率の低いATMやPOSの設置数が拡大している。特にATMは、2012年の10万台規模から、4年後には約3倍に増加すると予測されている。インドでのATMの運用については、金融分野の自由化に伴い、金融機関ではないサービス提供会社が、ATMを保有し、現金警送(注3)の管理やATMの監視・保守などの運用サービスまで含む包括的なサービスを金融機関向けに提供するATMアウトソーシング事業が拡大し、主流となることが見込まれている。