2012-11-28 日本企業がインドで成功するための6つの秘訣
コンサルティング/シンクタンク企業PRHUBの創業者兼CEOであるザビエル・プラブ氏が、東京で日本企業向けのワークショップを行った経験にもとづき、11月23日付のヒンドゥー・ビジネスライン紙に「日本企業がインド市場で成功するための6つの秘訣」と題した小文を寄稿した。その概要を紹介する。
――私は今年初め、東京で日本企業向けのワークショップを開催した。そこには多様な業種および事業規模の企業経営者が集ったが、「インドと日本は長い友好の歴史があるにもかかわらず、日本企業がインド市場で成功している例は限られている」という現状について、考えさせられることがあった。この文章は、その時に感じたことをまとめたものである。
印日間のビジネス面でのつながりは非常に強く、過去数年間は拡大の一途をたどっている。対印投資において日本政府と日本企業は最大規模を誇っている。日本企業にとってインド市場での成果やインドのシステムに対する快適さは他の新興国市場に比べてはるかに高い。そして、日本企業はインドに参入してからの長い歴史がある。だからこそ、プラス要因がこれほどありながら、なぜ日本企業は西側諸国や韓国の企業ほどに成功を収められないのかという疑問がわいてくる。ここではその要因を6つのポイントに絞り込み、個々についての考察を述べていく。
【1】他に先んじて大きな賭けに出よ
グーグル(Google)のパブリック・データには、家電市場において、どのようにして韓国企業が日本企業を凌駕していったかを時代ごとに示した素晴らしい研究事例がある。韓国企業(ヒュンダイ、LG、サムスン)の特徴のひとつとして、新たな参入先で早期に大規模な投資というリスクを取るだけの意欲と開放性がある点が挙げられる。ソニーのような高名なブランドが進出を躊躇する一方で、韓国ブランドは現地工場の建設、広範なサービス網の構築、マーケティングに多額の投資を行う。初期に大規模な投資を行うのは、確かにリスクは大きいが、それだけに成功した場合のリターンも大きい。