2014-06-30 新日鐵住金、インド初の貨物専用鉄道向けに熱処理レールを出荷開始
新日鐵住金は、インドのデリー-ムンバイ間貨物専用鉄道(DFC西線)向けに熱処理レール(注1)を12万6,000トン受注し、2014年6月よりインドへの出荷を開始した。同社のプレスリリースが、6月27日付で報じた。
DFC西線は、首都デリーから商業都市ムンバイの間、総延長約1,500kmの貨物専用鉄道を建設するインドの国家プロジェクトであると同時に、日印両政府が推進する「デリー-ムンバイ間産業大動脈(DMIC)構想(注2)」の根幹をなす事業。その最初の工区となるインド北部ハリヤナ州レワリと西部グジャラート州イクバルガー間の約626km部分について、昨年春に双日がインドのラーセン&トゥブロ(L&T)と共同でインド政府傘下のインド貨物専用鉄道公社(DFCCIL)から軌道敷設工事(円借款案件)を受注し、今回、新日鐵住金のレールが採用されたもの。工事は2013年夏に着工し、完工は2017年夏の予定。また、レールは2016年夏ごろまでに納入を完了する予定となっている。
今事業は、円借款案件として、新日鐵住金がDFCCILに対し初期段階から熱処理レールのスペックインに取り組んできた案件。同社のレールは耐磨耗性に優れ、レールの長寿命化に貢献できることや、寸法公差精度が高く、溶接・敷設時の作業性に優れており、こうした品質優位性等が評価され、今回の採用に至ったものと考えられている。
(注1)熱処理レールとは、圧延後に熱処理を施し、レール頭部の硬度を上げることにより、耐摩耗性を向上させたレール
(注2)デリー-ムンバイ間産業大動脈(DMIC)構想とは、デリー・ムンバイ間の6州の工業団地や港湾を貨物専用鉄道・道路で結び付け、インド最大の産業ベルト地帯を作るという、日印共同の総合産業インフラ開発プロジェクト