2014-08-14 【プレスリリース】NEDO、インドの携帯電話基地局でエネルギー・マネジメント・システムを実証へ
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、電力供給に課題を抱えるインドで、携帯基地局のエネルギー使用を最適化するエネルギー・マネジメント・システム(EMS)の実証事業を開始すると発表した。NEDOのプレスリリースが、8月7日付で報じた。
62カ所の携帯電話基地局に、再生可能エネルギーとリチウムイオンバッテリーを導入。日本のエネルギー・マネジメント技術を適用することで環境負荷の低減を図りつつ、安定的に電力を供給するシステムの実現を目指すもので、約50%の省エネ効果を見込んでいる。
なお、この事業は、ナレンドラ・モディ新首相、新政権下で初めての日印二国間の協力プロジェクトとなる。
インド国内において、携帯電話の急速な普及に伴い急増する携帯電話基地局に再生可能エネルギーとリチウムイオンバッテリーを導入し、エネルギー・マネジメントを行うことで、ディーゼル燃料の消費量を削減すると共に、安定的に電力を供給するシステムの実現を目指す。
併せて、基地局建屋の外壁や屋根に高日射反射率を有する光触媒塗料を塗布、建屋内の温度上昇を抑制することで、基地局内で使用する電力量を抑制する。
実証事業はインド国内各地、計62カ所の携帯電話基地局サイトでの実施を予定。エネルギー・マネジメント・システム(EMS)を20カ所に導入し、光触媒塗料の塗装を52カ所で実施する(一部重複する基地局あり)。
この事業による省エネ効果は、各携帯電話基地局の系統電力の状況にも左右されるが、従来システムに対して約50%の省エネ率を見込んでいる。仮にインドの携帯電話基地局40万局に導入した場合は、毎年約100万キロリットルのディーゼル燃料消費の削減が期待される。
実証事業の実施に向けて、NEDOとインド側(財務省経済局、通信・IT省電気通信局、新・再生可能エネルギー省、GTLインフラストラクチャー、VIOMネットワークス)が8月6日、基本協定書(MOU)を締結した。
・予算規模:約7億4,000万円
・事業期間:2014年度-2016年度(予定)
・委託先:日本電気、ピクセラ
今回の事業では、2014年度から2016年度にかけて、実証運転によるデータの評価・検証を実施する予定。また、インドにおける技術展示会において実証技術を出展するなど、インド国内への技術の普及に向けた活動を行う。なお、実証事業は経済産業省の支援を受け推進している。