2012-12-07 インドでついにiTunes Storeがサービス開始
およそ1億5,000万人のインターネットユーザー、および中国に次ぐ9億人という規模のモバイルユーザーが存在するインドに、ついにアップルのデジタルコンテンツ配信ストア「iTunes Store」が上陸した。12月7日付けナブバーラト紙が報じた。
インドのiTunes Storeでは、楽曲は7ルピーから15ルピー、アルバムは70ルピー、映画は290から490ルピーほどで購入でき、また映画のレンタルも、ボリウッドなどのインド作品は80ルピー、その他グローバル作品は120ルピーなど競争力ある価格で提供されている。
これを受けてソニー・ミュージック・インディアのシュリダール・スブラマニアム氏は次のように述べている。「価格に極めて敏感なインド市場において、適切な設定だと思う。またインド人消費者にとってはグローバルなコンテンツ市場へのアクセスを広げるのみならず、ボリウッド作品やインドならではのコンテンツを充実させることによって、グローバルな集客も期待できる。インド版iTunes Storeは多くの人にとって魅力的なマーケットプレイスになることだろう」。
さらにインドでは、iTunes Store以外から購入した楽曲も含めてアップルのクラウドサービス「iCloud」上に保存できる「iTunes Match」の提供も行っている。
iTunes Storeは、これまでインドで人気だった「Flyte」、「Gaana.com」、「Saavn」などの国内サービスと正面から競合することになる。
インド商工会議所連盟(FICCI)と米系のコンサルティング大手KPMGによる最新の報告書によれば、2011年のインドにおける音楽産業の規模は90億ルピーに到達しており、今後デジタル化が加速すれば一層の成長が見込まれるドル箱産業として期待されている。特に、売上全体の6割を占めるインド映画音楽は、長期的な音楽販売戦略上無視できない。
また、別の業界関係者は次のように語っている。「当初は都市の比較的裕福な、海外の楽曲に傾倒しがちな人々が中心ユーザーとして見込まれるが、成長を維持する上ではインド国内の楽曲を充実させることが肝要だ」。